サンタの挑戦
第8回 新しい来客で売上アップ

「お店のPOPって、いつもお店に来る人にしかわからないサービスじゃない?」
と言ったマリコの言葉。いつものお客様(固定客)にサービスするだけじゃ売上アップは望めない・・・と思いついた。いつものお客様へは来店頻度を増やすようなサービスを。そして、新しいお客様をもっと増やすような販促を・・・とヒラメいたものの、具体的に何をすればいいのだろうか。

「ねえ、マスター。何かいいアイデアはない?」
昼食の後、「えんじぇる」へ寄ってご意見拝借と決め込んだ。あ、また喫茶店にいるのか!と責めないでほしい。アイデア(企画)を練るには、少し現場から離れた方がいいんだよね。「えんじぇる」のマスターは、クイズの司会者のように
「それじゃ、サンタくん。この店は何屋でしょう?」
「えっ、八百屋じゃないよね。喫茶店でしょ?」
「そう。では、なぜメニューにモーニングセット(コーヒーにトースト付)があるのでしょう?」
「それは・・・朝食を済ませたい人が来るから?」
「その通り。では、なぜ今回、メニューにランチセットが追加されたのかな?」
「それは・・・なぜ?」

「はい、それは私が要望したからよ!」と、またマリコがやって来た(やっぱり!)。
「私ね、外回りでしょ。お昼休みが移動時間だから、昼食っていつも2時頃なのよ。それで、日替りランチをメニューに加えて!ってマスターに頼んだの」
なるほど。喫茶店だからコーヒーが目当てとは限らないもんね。
マスターは、「それがね、マリコに言われて日替りランチを始めたら、お昼休みから午後のお客さんが増えちゃってさ。はい、これアイデア料」と言って、マリコの前にチョコ・パフェを置いた。
「つまり、アイデアっていうのは、お客さんに聞くのがいいんじゃないか?聞きにくければ、とりあえず何かサービスを始めて反応を見るとか、ね」
うーん、さすがマスター。亀の甲より歳の何とか。うちの店でも通常のサービスに曜日や時間帯、加工を組み合わせて新しい客層にアピールすればいいんだね。
「そういうこと!それじゃ、日替りランチ2つ、伝票につけとくよ」
えっ、ボクも食べるの?

サンタの挑戦

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