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第3回 価格を決定する要因は

具体的な例を挙げてみましょう。

いま自社が調査できうる、あらゆるデータを検証した結果、自社を取り巻く市場価格の平均相場が1点あたり平均で340円だと仮定します。それにあわせて、自店の平均単価も同様の価格設定を行って、これに対抗したとしますと、クリーニング業者の最も頭を悩ませる点は、その固定比率の割合の高さにあるわけです。

つまり、必要人材に対する固定経費と変動費を差し引いた売上総利益が等しくなるような価格設定を行っていると、市場経済の現象の波にさらわれたときに復活する手段がないということです。

常に上昇する人件費と、減少の一途をたどる市場経済シェアを照らし合わせた場合、そこには常に売上の前年増加しか考えられないという結果をもたらすのです。これは気持ちの上ではそうであってしかるべきではありますが、簡単なことではありません。それに追い打ちをかけるかのようなユーザーの高品位ニーズに応えていこうとした場合、価格設定を行った段階での生産性や品質といったものよりも、遥かに高い次元のランニングコストが発生するのです。

変動経費が当然高くなるわけですから、自ずと固定費は圧縮されるべきはずでありますが、固定費とは削ることができない経費であるわけですから、答えは自ずと判るということです。

以上、逆の見地から考えてみましたが、価格を自店の分析結果から算出していれば、当然その時点では利益をもたらす結果になっているわけでして、根拠になる指数があれば、現状の対策も立てやすいというわけです。

もちろん市場価格も当然必要で、それに対抗できうる生産性と顧客が望む品質の維持という二つの局面を照らし合わさなければなりません。そこで次の顧客管理が問題になってくるわけです。

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