異業種とのコラボレーション
第3回 ブティック・スーパーマーケット(前編)

異業種とのコラボ企画で最も利用客に馴染みやすいのは、衣・食・住に関連する業種でしょう。それは、クリーニング店に来店するのが圧倒的に女性、特に主婦が多いからです。

お店にある顧客台帳(POSレジ)から男性名と企業名だけカウントして除外すれば、概ねの割合が把握できます。なお、「概ね」になるのは奥ゆかしいといいますか、来店するのは主婦なのに顧客登録はご主人(世帯主)の氏名という場合があるからです。

さて、衣食住の「衣」についてのコラボ企画は一方向であれば、すでに全国で行われています。最も多いパターンが衣料品店、特にブティックや有名ブランド品を扱うショップとの提携。これら店舗の客層は衣服にこだわりを持つ方が多く、購入サービスとしてクリーニング割引券を添付してもらえば、汚れが少なく一客単価の高い新規顧客が獲得できるからです。

例えば、同窓会やパーティーにはキレイに仕上がった服を着て行きたい。また、その場所でつけてしまった汚れ・シミはすぐに落としておきたい。それは、富裕層を除けばドレスアップする機会が多くないのでシミ・汚れがタンスの中で悪化し、忘れた頃に「明日のパーティーは何を着て・・・」と出してみたら黄変したりシミが目立ったりするからです。ブティックではこういった事例をセールストークにしてもらえば、「ファッションケアのアドバイスができる店」としてお客様に喜ばれ、営業のプラスになります。

さらに、クリーニングに出したお店でもらった割引券がブティックで使える。こうした循環ができてブティックとクリーニング店で新たな需要・売上が生まれれば、コラボ企画は成功です。

次に「食」として、スーパーマーケットが挙げられます。最近ではコンビニエンスストアに顧客を奪われて元気がないスーパーですが、そこに新たな需要・顧客を生み出すコラボ企画を持ち込もうというわけです。

ただし、全国展開するチェーンストアなどは本社営業部の主導で販売促進が行われていますので、個々の店舗で独自に行う販促企画はなかなか受け入れてもらえません(それには綿密な営業計画書が必要)。そこで、地域密着で店舗展開を行う独立系スーパーマーケットへコラボ企画を持ち込みます。

それには、前回述べた

(1)お互いの利益を明確にする

(2)お互いの役割と責任を決める

(3)企画の効果測定~報告を行う

これら3つの要素に加えて、

(4)信頼性の高いクーポン券の運用

(5)見て理解できる企画書の提示

この2つが重要です。スーパーの場合は取扱品目が生鮮食料品から日用雑貨品まで幅広く、特売品もあります。また、レジ係はほとんどがパートタイマーで責任が問えず、多くが素人の主婦や勤務経験の浅い女性です。ですから、企画書は経営者・幹部は元より、彼らがレジ係へ容易に説明できる「見せ方」が必要なのです。

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