
全国ふとんクリーニング協会
理事長 矢島 雅之
新年あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。
日頃から全国ふとんクリーニング協会の活動にご支援ご協力を賜わり心より御礼申し上げます。
お陰様で当協会は昨年設立30周年を迎えることができました。これも偏に、業界関係者様、諸先輩会員の皆様のご指導の賜物と感謝申し上げます。
クリーニング業界は昨年記録的な猛暑の影響があったこともありますが、ワイシャツの点数が減少したといわれています。テレワークの普及定着やカジュアル化の進行、物価上昇による節約思考など、様々な要素から一般クリーニング品の需要は今後も大きく増えることは考えにくい状況であることは否めません。新たな需要の創造が急務といえます。
こうした状況の中、全国ふとんクリーニング協会では様々な角度から需要の開発を進めております。
いま寝具業界は大きな変革の時を迎えています。掛けふとんで主流となっている羽毛ふとんは、原料となる羽毛の高騰から新品の羽毛ふとんの売行きが下がってきています。SDGsが注目される中、使い捨てではなく「長く大切に使う」という流れにあり、羽毛ふとんメーカーでは新品販売からリサイクル、リフォームを意識した事業へと転換が進みつつあります。
当協会では、寝具メーカー団体とも協力関係を構築して「ふとん洗い」の習慣化を推進するだけでなく「羽毛ふとんのリフォーム」等についてもコラボキャンペーン実施へ向けて取り組みも進めております。昨年度はその手始めとして寝具団体の協力を得て「ふとんケア意識調査」(消費者アンケート)を実施致しました。消費者はいったい何枚の寝具類を所持しておられるのか。そして、そもそもふとんをリフォームしたり加工することで長持ちすることを、どれくらいの方々がご存知なのか。新たな市場を作り上げるため基本的なデータ構築からスタートしております。
さらに当協会の会員企業を中心にテストを進めて参りました羽毛のダウンパワーを回復(傷ついた羽毛を修復)する新技術「羽毛アンチエイジプラス」も、加工時間を短縮する技術改良も進み、各方面での広がりをみせています。クリーニングの需要回復の一端を担う商材となることを期待しています。
もう一つ、当団体が目指しているのは、家の中の需要開発です。国土交通省は、人生100年時代に合わせて「100年住宅推進事業」を推進していますが、住宅を健康に保つためには、ダニ・カビ・結露などを含めた、住宅内の環境改善が望まれます。さらに今注目されてきているスーパートコジラミ対策についても専門の機関とともに研究を進めて参ります。
クリーニング業界を取り巻く環境は厳しい状況ではありますが、そうした中で当協会は会員数も増加傾向にあり、皆様のご期待にお応えしていくためにも前向きに事業を進めて参りたいと考えておりますので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
