
全国クリーニング協議会
会長 青木 渉
あけましておめでとうございます。
全国クリーニング協議会を代表し、本年も業界の発展にご尽力いただいている皆様に心より感謝申し上げます。
ここ数年、記録的な猛暑が私たちの生活様式や働き方に大きな影響を与え続けています。お客様の間では衣類の素材や着こなしの見直しが進み、特に夏場におけるワイシャツの需要減少が顕著になっています。これに伴い、ズボンの着用スタイルにも変化が見られるなど、衣類の需要構造に変動が生じています。このような状況下では、季節ごとの需要予測をより精密に行い、柔軟な運営体制を構築することが求められます。また、工場運営においても作業環境の改善や作業工程の再構築が急務です。
さらに、クリーニング工程での環境負荷を軽減するため、再生可能エネルギーの活用や環境に配慮した洗剤の導入など、サステナビリティを意識した取り組みを一層強化していく必要があります。同時に、地域社会との連携を深め、生活者の多様なニーズに応えるサービスを展開することも重要な使命と考えます。業界全体で連携し、環境や衣類ケアに関する情報を積極的に発信することで、消費者にクリーニングの価値を再認識していただく取り組みが求められております。
政界では、まず何よりも令和になってようやく「初の女性首相」が誕生したことが喜ばしい。高市早苗さんが選ばれたのは、当然ながら「女性だから」ではありません。むしろ、「女性でありながら」です。私見になりますが、私は今回のことは間違いなく「ガラスの天井を破った」事例だと考えています。閉塞感のある今の日本に起きた「変化」として、「初の女性首相の誕生」は冷静に客観的にポジティブな出来事だと思います。せっかくの日本初の女性首相ですから、短命で終わるのではなく、できれば4〜5年は続いてほしいので、国際社会と協調して、日本を良い方に導く首相になってくれることに期待します。
昨年、クリーニング業界は大きな転換期を迎えていることを実感させられました。全国各地で一世を風靡した業社が当業界から姿を消したことは、筆舌につくしがたい。さらに、折からの労働力不足、環境問題、経済的な制約といった課題に直面する一方で、デジタル化や新たなサービス展開といった成長の機会も見込まれます。「効率化と付加価値の追求」「環境への配慮」「顧客志向」を柱に、業界全体で取り組みを進めることで、持続可能で信頼される業界の姿を実現していきたいと考えます。
全国クリーニング協議会はクリーンライフ協会の事務局運営に携わることになり、特に外国人技能実習制度における試験体制の拡充と制度の定着化を推進し、人材確保と育成に貢献し、クリーニング業界に寄与できるよう精進を続けていく所存でございます。
文末になりますが、本年が会員各社はもとより、当業界に従事するすべての皆様にとって実り多き一年となることを心よりお祈り申し上げます。引き続き、全国クリーニング協議会の活動に対し、ご理解とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
