年頭所感

一般社団法人 日本リネンサプライ協会

会長 山田 修

山田会長

 明けましておめでとうございます。平素より日本リネンサプライ協会に格別のご支援、ご協力を賜っておりますことに厚く御礼申し上げます。

 昨秋、GoToEatキャンペーンや全国旅行支援事業が始まり、入国者数の上限撤廃、個人旅行の解禁などと相俟って国内外の旅行者も着実に増加しています。我が国のインバウンドの規模が2019年の水準に回復するのは2025年前後との予測も出ています。

 昨夏の「現況調査」によれば、正会員のリネンサプライ部門の売上は、微かに回復の兆しが見られます。第8波とも云われる感染拡大はなお続いているものの、久しぶりに、「緊急事態」、「まん延防止」といった物々しい言葉から解放され、穏やかな気持ちで新年をお迎えできたことはご同慶の至りです。

 さて、昨年、待望の「創立50周年記念事業」を実施することができました。6月に東京新橋において「創立50周年記念式典・祝賀会」を開き、厚生労働大臣後藤茂之様(ビデオ)を始め多くのご来賓、正会員・賛助会員の皆様にご参集頂き、厳粛かつ盛大にお祝いすることができました。11月には、協会の半世紀の足跡を辿る「50周年記念誌」を刊行し、広くご高覧に供することができました。改めて、各方面の皆様に深く謝意を表します。

 また、「リネンサプライ講習会」は、コロナの影響によりこの2年間中止を繰り替えしてきましたが、昨年12月に「リネン工場の省エネ、省力化」を全体テーマに、講習会は東京羽田の営業開始前のホテル、工場見学会は(株)ヤマシタ千葉事業所をそれぞれ会場として、実に3年ぶりに開催しました。講習会・懇親会に約250名、工場見学に210名の参加者を迎え、盛会裡に開催することができました。

 その他「衛生基準認定事業」は、会員各社のご協力そして認定委員会と調査員の連携によって書類・実地審査を進めたほか、「リネンサプライ業技能講習会」は開催時期を変え、受講者数を縮減して開催しました。

 東京オリンピック・パラリンピックは、残念ながら無観客ということになりましたが、関東支部の12社の企業連携により、選手村の「リネンクリーニング業務」を受託し実施いたしました。64日間にわたるリネンのクリーニング業務を、安全確実に遂行することを通じて、大会の成功に些かなりとも貢献することができたと思っています。

 「外国人技能実習評価試験事業」は、前年までの数次、長期の入国制限の影響で、上半期は初級試験が全く行われず、また、専門級の受検者数も年間を通して大幅に減少するという不安定な状況でしたが、今後、受検者数の回復に伴い、徐々に事業収支の改善も進むものと見ています。政府における技能実習制度の見直しの動きを注視しつつ、法に基づく試験実施機関として、引き続き、実習生及び会員企業等の要請に十分に応え得る試験実施体制を堅持していく所存です。

 コロナ禍という制約の中ではありましたが、会員各社のご協力得て各種の重要事業をほぼ計画どおり実施することができましたことに重ねて御礼を申し上げます。

 この業界は、「安全・安心なリネンの提供」を目指して会員の総力を結集して懸命に活動してまいりました。私どもはいま、SDGsという大きなうねりの中にあります。また、エネルギー・諸物価の高騰や人手不足など周辺環境は依然として厳しい状況が続いていますし、「連泊時のリネン交換抑制の動き」といった課題も顕在化してきました。永年の課題である「適正な価格」、「適正な契約」のあり方について改めて議論を深化させる必要があります。

 来る6月には、通常総会において役員の改選を行い、次の50年を導いていく新しい体制を構築することになります。改めて皆様方に、これまで以上のご理解とご協力を切にお願いする次第です。

 結びに、皆様方の益々のご健勝と会員各社の業績の一日も早い回復を祈念申し上げまして年頭のご挨拶といたします。

年頭所感

クリーニング書籍