年頭所感

特定非営利活動法人 日本繊維商品めんてなんす研究会

理事長 中村 美和子

中村理事長

 謹んで新春のお喜びを申し上げます。皆様におかれましてはお健やかに新年を迎えられたことと存じます。日頃は当会の活動に対してご理解とご協力を賜り感謝を申し上げます。

 とうとう新型コロナウィルスの影響が丸2年続いてしまいました。感染拡大は避けたい、感染は止めなければいけない、しかしずっと営業を自粛していては日本経済が成り立たない。2年の間、修羅場と言われながら日本の国民を支えた医療関係だけが忙しく動いている。飲食業や観光業、アパレルの状況も厳しい中、私たちのクリーニングのお客様はいったいどこに向かって動いているのだろうとクリーニング企業のすべての人が不安で、まだ答えを見つけられない今日であると思います。

 団塊の世代が確実に高齢者となり年金受給者となりました。さらに少子化が映す未来は勤労世代つまり消費の中心となる世代のボリュームがさらに小さくなる未来です。昨今、閉店や廃業の話を耳にします。それは、少子高齢化の未来に向けた一歩なのかとも思います。

 今後デジタル化が進む中、もしかしたら対人接客は減っていくのではないかとも思っていますが、それと当時に希少化した「心ある接客」は、消費者にとってとても価値あるものとなっていくでしょう。今までクリーニング業界では各企業内で作業をする人だけを育ててきました。作業しかできない人はAIが普及してくればすぐにAIにとって替われます。しかし、AIにはお客様の心まで管理することはできません。これからのクリーニング業界は優秀な管理者を育てることが必要になってくると思います。

 そして接客においてもアドバイスやカウンセリングができるスタッフを育成することができれば、半径500メートルや1キロを商圏とするのではなく、より広い範囲のお客様にご利用いただくことができます。それにはこの業に関わる沢山の知識をつけることが必須です。当会では従業員さんのキャリアに合わせ資格試験などの目標へ向かいながら学ぶ各種のコースをご用意しております。

 東京近県にいらっしゃる方は、是非飯田橋に直接お越しいただきリアル参加してください。勉強会終了後は理事達と懇親を深め沢山の情報や相談も受けております。また、遠方にお住まいの方はZOOMによるオンライン授業を受けることができます。コロナ禍の2年間も1回も休まずオンライン授業を続けてきた当会はオンラインに関する沢山の実績を持ち、現在では遠く北海道から沖縄さらに韓国からも受講をしていただいております。

 企業の大小を問わず、クリーニング業界の中で今後求められる人材とはどんな人材なのかTeMAは真剣に考えています。その人材を育成するために、入社したての従業員から数年勤めた従業員まで段階的に階段を上がれるようなクリーニング業界に特化した「人材」を「人財」に変える新たなカリキュラムを用意して各企業様のお手伝いをすることにより業界の発展につなげていく所存です。

 今年こそ、コロナが終息し本来の明るい春が来ることをご祈念申し上げ年頭のご挨拶とさせていただきます。

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