年頭所感

一般社団法人 日本テキスタイルケア協会

代表理事 住連木 政司

住連木代表理事

 当協会は創設九年目を迎えます。当協会の目的は、アパレル、流通、クリーニング、消費者との情報交流の基盤づくりを実現することによって、国民の服飾文化をサポートすることにあります。

 昨年初来のコロナ禍によって、シンポジウム、研修会等の中止を余儀なくされました。しかし、その一方では、社会全般にテレワークが普及し、新しい情報交流の在り方が芽生えるきっかけともなりました。ウエッブによるコミュニケーションは、リアルな距離感を超えて、全国の協会会員が同時に情報共有するばかりではなく意見交換をも可能にし、また国内ばかりではなく世界にも広げることとなりました。

 当協会が提携する国際プロフェッショナルテキスタイルケア機構(CINET)との協業事業として、世界規模の情報交流と情報収集を実現するとともに、テレコミュニケーションを有効活用した活動を展開します。多様なビジネスモデルを展開する世界各国のクリーニング事業者のノーハウを幅広く収集し、時代の変化に対応した革新的なビジネスモデルについて、ウエッブ講演会を開催します。

 また、繊維製品の維持復元の事業化を目的とする協会活動の一環として、繊維製品品質管理士の資格取得に向けたカリキュラム構成のウエッブ講座を計画します。

 一昨年協会から刊行した『紳士服整形仕上の基本』に関連しては、紳士服製造分野の講師による実技講習を実現するようカリキュラム検討を進めてまいります。

 現代社会における服飾文化は、多様性とこれに対応する持続可能性を求めています。しかしこれに対応しようという業態は、産業として成立しているとはいえません。すでにイメージが定着した低料金と利便性をベースとするクリーニング業態と区別し、プロフェッショナルテキスタイルケアサービスの専門的な提供こそが、時代が求める未来志向のビジネスモデルであるといえます。

 私たちは、その提唱と実現に向けた情報提供と研修活動を続けていきます。

年頭所感

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