日本公庫の景気動向等調査結果(2018年10~12月期)

日本政策金融公庫は2018年10~12月期の生活衛生関係営業の景気動向等調査結果を発表した。

2018年12月上旬に生活衛生関係営業の9業種3,290企業を対象に行われ、有効回答のうちクリーニング業は262企業。クリーニング業について、その結果をみてみたい。

業況判断DI
業況判断DI ▲21.4
売上DI ▲32.1
採算DI ▲11.1
利用客数DI ▲38.5
客単価DI ▲29.8
  • 業況判断DI=前期対比「業況好転」企業割合-「業況悪化」企業割合
  • 売上DI=前年同期対比「売上増加」企業割合-「売上減少」企業割合
  • 採算DI=当該期「黒字」企業割合-「赤字」企業割合
  • 利用客数DI=前年同期対比「利用客数増加」企業割合-「利用客数減少」企業割合
  • 客単価DI=前年同期対比「客単価上昇」企業割合-「客単価低下」企業割合
設備投資の動向
設備投資の実施状況 15.3%
来期の設備投資実施予定 12.2%
経営上の問題点(複数回答)
顧客数の減少 56.1%
仕入価格・人件費等の上昇を価格に転嫁困難 50.0%
客単価の低下 24.0%
店舗施設の狭隘・老朽化 17.6%
従業員の確保難 13.0%
後継者難 4.2%
事業資金借入難 1.5%
その他 2.3%
特に問題なし 7.3%
地域の特徴的な動き

【山梨県】業況:不変

一般顧客は減少傾向であるが、インバウンド効果による民泊などの増加により、リネン関係が増加している。

【広島県】業況:悪化

7月初めの豪雨災害の影響が今もあり、地域経済の低迷が続いている。

【大分県】業況:悪化

地域の高齢化、背広ネクタイ等のビジネス用品のクリーニングが減少を続けている。

経営取り組み事例

【茨城県】

夏の猛暑で汗のついた品が多いので、汗ぬきやウエットクリーニングのカウンターセールスをして、付加価値の料金をつけ客単価を上げた。

【埼玉県】

社員の採用による宅配営業の強化を行っている。また、社員の資格取得に係る受験費用補助などを行い、モチベーションの向上を積極的に図っている。

【千葉県】

機械設備の老朽化に伴い修理費用が多くなったため、小さな機械に買い替えた。また、人手不足のため低利益の仕事はやめ、週1日の休みを増やして人件費を抑えた。

【兵庫県】

お客さまの利便性向上を考え、クレジット決済ができるようにした。

【広島県】

毎月、チラシ4,000部のポスティングを継続しており、1年前と比較して300件程度会員が増加した。継続とリピート率を上げる努力が必要と考えている。

多賀電気