| 16.カウンターサービス |
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クリーニング店を経営していくために、営業がいかに大切であるかは、嫌というほど思い知らされる毎日であり、特に昨今は経営者にとって頭の痛い大問題となっている。これまでにも営業についての画期的な改善に取り組んだ・・・という話には、滅多にお目にかかったことはない。 御用聞き営業にしろ、持ち込み営業にしろ、クリーニングの営業には、昔からこれといった特効薬はない。季節変動には大きく左右されるし、お客様からのゆえなきクレームに怯えつつ弁償問題に悩まされるという、極めて暗く地味な商売。そこには明るく気のきいた宣伝広告等はおおよそ必要性もなく、ただただ「早い」「安い」「きれい」の合言葉で精一杯がんばり続けてきた商売だった。 持ち込み店、それもちょっとお洒落な店舗が増えはじめた頃から、宣伝広告は急速にレベルアップし磨きがかかってきた。店舗も宣伝広告も一般産業並になるとともに、クリーニング業の業格向上にも大いに寄与したといえよう。 ところが器はできたが、問題なのは店頭におけるカウンターサービスの実体である。接客技術、接客マナー等は他業界では早くより取り上げられて、かなり広く深く研究され、参考書類や専門の先生も多いようであるが、ことクリーニング業については、その数は極めて少なく、効果も決して十分とはいえない状態である。物品販売業での接客技術ではなく、クリーニング業として特別なカウンターサービスが要求されるためだ。 さて、クリーニング店のカウンター業務を見ていく前に、まず、業種に関係なく接客マナーに共通するいくつかの基本条件を確認しておきたい。
1. 店舗の管理 お店はお客様を引き付ける魅力がなくてはならない。ただお金をかければいい、というものではない。いかに豪華絢爛たるお店を造っても、もし管理を怠れば1カ月もしないうちに、見苦しく不潔なお店になってしまうものだ。厳しい競争下にある各企業、特に外食産業や百貨店のリモデル合戦をみれば、いかに店舗の活性化が大切であるかが伺えるだろう。 お店の新鮮な魅力をいつまでも維持し続けるのは、カウンターの担当者として励行すべき第一の仕事であると銘記せよ。
2. 保管品(お預り品)の管理・その1 お店にお客様からのお預り品を山のように一杯に在庫していることは、決して自慢にはならない。それは、品物の受け渡しと納期とのタイミングのズレによるものなのか、受け渡し作業のまずさなのか、十分に検討して、品物の回転速度を決めることが大切である。油断をすればお預り品はどんどん増え続け、保管スペースはいくら増設してもきりがない。 来客時、預かり伝票をみて、その品物をお渡しするまでのリミットは1分間以内といわれており、これは保管スペースと保管方法の合理化以外には難しいことである。 お預りした品物がいつお渡しできるか、店頭にハッキリと明示し、お客様にも了解してもらい、仕上り日にはお引き取りに来るようお願いすることも忘れないように。なるべく店頭在庫にならぬよう、常に心掛けること。時と場合によっては、まとめて配達することも考えるべきである。 3. 保管品(お預り品)の管理・その2
カーテン、カーペット、ふとん、ぬいぐるみ等のかさばるものや、ウエディングドレス、イブニングドレス等の特殊な保管品。 また、保管の順序としては先入先出法によるもの、タグナンバー、伝票ナンバー等によるものが多い。 4. 金銭の管理 最近ではほとんどの場合、現金前金制のため、金銭の授受が頻繁に行われるので、お金のことでお客様に不快感を与えないように細心の注意を払い、正確かつ敏速に処理することが大切である。担当者として、適切な釣銭やきれいな紙幣の準備も必要だろう。 お客様からお預かりした紙幣は、そのお客様との取引が完了するまで、お客様の見えるところにホールディングしておくことも忘れないように。 日常の取引では、来客との金銭の貸借や一時立替え、預かり等はなるべく別会計として記録した方が良い。特に領収書や受領書等は面倒でも必ず授受すること。これは社内関係の人の場合も同様で、必ず何らかの方法で記録しなければいけない。 金銭関係でトラブルがあったお客様はほとんど場合、店から離れてしまうといわれている。 5. 顧客の管理 カウンター担当者は、お店にくるお客様のことを一体どれくらい知っているのだろうか。「よく来てくれる人だな」「きれいな人だな」「うるさい人だな」・・ただ、それだけで済ましていないだろうか。 お店にくるお客様の台帳は、いつも整備されているだろうか。一度記入したら、それで終わりではない。追加や変更等の修正を行い、正確な現状を把握していなければ意味がない。 何度、お店に行っても、その都度「お名前は?」と聞かれるもどかしさ。名前と顔を正しく確認し、常に明るい会話が交わされてこそ、顧客といえるのではないだろうか。 6. 販売促進 ユニットショップのカウンター担当者は、まぎれもなく営業第一線の責任者である。常に売上増進を心掛けることは、当然の任務であろう。ハンバーガーのファストフード店のカウンターで「お飲物は?」「フライドポテトは?」とか、新しいメニューについて積極的に一声かけて、一客当りの売上アップをはかろうとしている場面を思い出してほしい。 現在、お店で行っているサービスやセール、季節に応じた特殊加工の説明とおすすめ、修理、保管等、面倒がらずに自然体で呼び掛ける呼吸を、早く身につけるようにしたい。その時、その時の、明るくさわやかな接客態度こそが、販促の基本であることを銘記しよう。 7. 情報の収集と発信 お客様の生の声が聞けるのはカウンター担当者だけである。お客様とのちょっとした会話の中から、新しいニーズを掴み、不平、不満を感知する。あるいは近所の競合店や衣料品店の情報をキャッチして、経営者に報告する。天候や競合店の特売日による来店客数の変化、持ち込み点数の変化など常にアンテナをはっておき、また新しいサービス情報の発信を心がけなければいけない。 8. 苦情(クレーム)の処理 頭の痛い問題だが、むかしからクリーニングに関する苦情は全国的にみても大変多く、なかなか改善の実績が上がらないという、不名誉な状態を背負っている。そして、ほとんどの場合、苦情の第一声はカウンター担当者に向かって集中する。苦情の種類や原因の大部分は、作業現場に責任がある場合が多い。そのためカウンター担当者では処理できないケースが多いので、まずはお客様の言い分に十分耳を傾け、かつ記録をとり、早急に担当責任者(または社長)に報告し、誠意を持って迅速に処理することを伝える。丁重にお詫びをして、当方よりの連絡をお待ちいただくようお願いしなければいけない。 後刻、責任者に詳しく報告し、指示を受けて、結論をお客様に連絡する。この時の迅速さや誠意ある態度が、お客様に対してプラスに働くか、マイナスに働くかが、お店の信用に関わってくることは当然である。 もちろん事故は詳細に記録し、再発を防止することが重要なのはいうまでもない。 |
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