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(有)ブルースパイス・コーディネーターの岸和浩氏の小説・あとつぎ奮闘記「サンタの挑戦」。後継者問題を中心に営業、技術、管理など多岐にわたるテーマを小説スタイルでお届けしていきます。本連載は原則的に毎月更新。その都度、前回分に上書きされていきますので、お見逃しなく。

update 2 Jun.2008


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著者=岸 和浩

第34回「若い受付で変わる客層(その2)」


 マリコが受付を始めてから、なぜか本店の客層が変わってきた。既存客はそのままで、若い女性とサラリーマンが増えたように見える。マリコの受付応対には、
  1. カウンター・セールスしている
  2. 衣類・ブランドの知識がある
  3. 女性顧客に安心感を与える
  4. 「えこひいき」しない接客をする
  5. 用件・要望を聞き、メモをとる
 以上、5つのポイントがある。彼女は商社に勤めていたので、「報告・連絡・相談」の基本がしっかりしていた。

 例えば、仕事を終えた後で「今日はこんなお客様が来ましたよ」と雑談しながら、店長(ボク)や社長(父)にメモを渡す。「お客様からこんな事を聞かれたので・・・」と、次回受付のために知識を入れる、など。
 一般に、パートさんは「知らないことは知らない」で終わってしまうし、後で調べたり質問したりする人は少ない。また、お客様への安易な受け答えや勝手な判断から、後々トラブルに発展することさえある。
 そして、マリコにはもう一つ「隠れ業」がある。それは、お客様をカウンターの外へ出て見送ること。そして、見送りながら「気をつけてお帰り下さい」「またお越し下さい」と優しく声をかけている。

 「どう?マリコさん。お店は慣れた?」
 本店に専務(カナエ姉さん)がやって来た。専務店の受付はヨシコちゃんに任せてきたとか。
 「ええ、なんとか。でもカウンターに立っていると通りから丸見えで・・・ちょっと恥ずかしいですね」
 「ううん、立派な接客を見ていたわよ。アタシは銀行の受付で接客マナーを教わったけど、カウンターを出たことなんてないもの。マリコさんの真似して見送ってみようかな!」
 「見習うなんて・・・受付が忙しい時はできないんですもの。商社では全員の机が事務所の入口を向いていたし、私は来客を見送る係だったから・・・クセなんですね」
 う〜ん、他業界の「釜の飯を食う」ことって、大切なんだなあ。専務は「あなた、エライわ!こんな弟と結婚してくれて、アリガトウ!」と言った。何だよ、それ・・・。

 「ところで、サンタ。8月の販促は『ネクタイ・セール』だけど、なんかこう、季節感を出せないの?」
 と、専務が言ったところへ母が浴衣を持って出てきた。
 「ねえ、マリ・・・じゃないよね、白鳥さん。アタシの若い頃のコレ、着れるかしら?」
 「そうか・・・マリコ、それだよ!」
と、ボクは叫んだ。
こうして、浴衣姿のマリコがカウンターに立つ「浴衣・法被クリーニングセール」を行うことになった。


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岸 和浩
有限会社ブルースパイス代表取締役・コーディネーター。
業種を問わず、営業部門の販売促進、各種団体の広報と製造部門の合理化について企画・提案を行い、その制作と実施をサポート。クリーニング業界では新機軸の販促システムの提供をはじめ、専門新聞紙上に数々の連載を発表しているほか、二世の経営を考える広場『リレーズ・プラザ』の事務局としての活動も行っている。

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